霧の月 270

私は節子に良く考えて家賃分が助かるぐらいの気持ちで同居して下さい。一度姉の寿子と連絡を取りたいので私に連絡するように言って下さいと言った。私はある期間あのアパートには住めないだろう。その間だけでも節子に住んで貰う事の方が良いような気が強くなっていた。私は久里山節子にもあの西沢渓谷近くでのあの札束遺棄事件の事は隠し通す積もりでいた。その頃沖縄県の北部警察署の刑事が先に水死体で発見された安西里江について聞きたいと訪ねて来た。

つづく