霧の月 269

節子は続けた。母親からの相続財産もこれまでにかなり散財し相続財産は殆どなかったそうである。私は世間体もあるので同居は避け、私自身が出来るだけの経済的援助を申し出ておいた。しかし私には有る事についての有る覚悟があった。その間の期間がどの程度かは分からない。ただ今のアパートは動きたくはなかった。また動かない方が良いと思っていたのも事実だった。 つづく