霧の月 271

沖縄県北部警察署の刑事が訪ねて来た前日、久里山寿子から連絡があった。久しぶりね。母の時はお花ありがとう。母は喜んでいたと思うわ、きっと。節子から聞いています。私も節子もお金の事で散々。良かったら節子に世話させてもらいたいわ。私が出来なかった分。でも無理ならいいから。母はあなたの事を信じていたみたい。いろいろありがとうねと言い切れた。前の妻の声を聞き、人生様々だなと思っていた。 つづく

霧の月 268

久しぶりに久里山節子から連絡があった。ホテル日航那覇で会いたいとの事だった。週末に会った。節子は姉の寿子とは違いかなり知性的な女性である。看護師だけあって人情にも厚い。節子の話しによると節子自身前の離婚した主人の為に二千万円の負債があるとの事だった。姉の寿子に相談したが寿子自身もまた相当な負債が有るとの事だった。母親と生前に相談したが埒があかなかったそうである。母親は瀬川さんなら必ず力になるだろうと言ったそうである。また姉の寿子も瀬川さんから二千万円借りたらいいとの事だった。母親が瀬川さんは一人だから世話してあげるようにと強く言われたようだ。

つづく

霧の月 270

私は節子に良く考えて家賃分が助かるぐらいの気持ちで同居して下さい。一度姉の寿子と連絡を取りたいので私に連絡するように言って下さいと言った。私はある期間あのアパートには住めないだろう。その間だけでも節子に住んで貰う事の方が良いような気が強くなっていた。私は久里山節子にもあの西沢渓谷近くでのあの札束遺棄事件の事は隠し通す積もりでいた。その頃沖縄県の北部警察署の刑事が先に水死体で発見された安西里江について聞きたいと訪ねて来た。

つづく

霧の月 269

節子は続けた。母親からの相続財産もこれまでにかなり散財し相続財産は殆どなかったそうである。私は世間体もあるので同居は避け、私自身が出来るだけの経済的援助を申し出ておいた。しかし私には有る事についての有る覚悟があった。その間の期間がどの程度かは分からない。ただ今のアパートは動きたくはなかった。また動かない方が良いと思っていたのも事実だった。 つづく

霧の月 268

久しぶりに久里山節子から連絡があった。ホテル日航那覇で会いたいとの事だった。週末に会った。節子は姉の寿子とは違いかなり知性的な女性である。看護師だけあって人情にも厚い。節子の話しによると節子自身前の離婚した主人の為に二千万円の負債があるとの事だった。姉の寿子に相談したが寿子自身もまた相当な負債が有るとの事だった。母親と生前に相談したが埒があかなかったそうである。母親は瀬川さんなら必ず力になるだろうと言ったそうである。また姉の寿子も瀬川さんから二千万円借りたらいいとの事だった。母親が瀬川さんは一人だから世話してあげるようにと強く言われたようだ。

つづく